お友達は誰? ルカ10:37

お友達は誰?
ルカによる福音書10章37節

イエス様は一つの譬え話をされました。

あるユダヤ人が旅をしていました。すると、きっと待ち伏せしていたのでしょう。強盗がその人に襲い掛かりました。あっという間に身ぐるみを剥がされ、酷い目に遭わされて、血だらけで倒れました。もう動くことが出来ません。その道を祭司が通りかかりました。祭司はこの人を見ました。しかし彼は道の反対側を通り過ぎます。死んでいると思ったのか、血に触れて汚れて祭司の仕事が出来なくなるのを恐れたのか、それともまだ近くに強盗がいるかもしれないということで逃げたのかは分かりませんが。

続いて祭司のお手伝いをするレビ人という人がやって来ましたが、彼もまた通り過ぎます。そして、サマリア人という人が通りかかります。サマリアとユダヤは隣同士なのに、とにかく仲が悪い。けれどもそのサマリア人はユダヤ人が倒れているのを見て、ぎゅーっと心が締め付けられ、すぐに駆け寄って手当をして、宿屋に連れて行き、介抱し、次の日お金を渡して宿屋の主人に託します。イエス様はこの譬えを話して「行って、あなたも同じようにしなさい」と言われます。

ユダヤ人とサマリア人というお話が、この国と隣の国の関係と重なって見えたら、会社や学校で机を並べているあの人との関係として読めたら、我が家と隣の家の人との関係を思い浮かべられたらしめたものです。何故ならそのように読むためにイエス様は譬えで語られたのです。

イエス様が譬えで話されたのは神様の言葉、聖書のお話をあなたの身近な出来事として考えなさい、ということです。そして、イエス様は「行って、あなたも同じようにしなさい」と言われます。ちなみにこの箇所(34節)の「宿屋」という言葉には「誰でも受け入れてもらえる場所」という意味があります。隣の人の痛みを抱えきれなかったら教会に連れてらっしゃい。教会は誰でも受け入れられる場所です。 (牧師:田中伊策)