「私達の希望でいてください」 イザヤ書46:3-4

「あなたの父母を敬え」(出エジプト記20章12節)という戒めは、家族を、家を大切にしなさい、ということ以上に、様々な悲しみも、失敗も、悩みも、迷いも、病も抱えながらここまで歩んできたであろう、その人生を重く受け止めなさい、という意味です。

そしてこの「あなたの父母を敬え」、「その命、その人生を重く受け止めよ」と言う言葉を神は決して他人事のように語りません。「わたしに聞け、ヤコブの家よ/イスラエルの家の残りの者よ、共に。あなたたちは生まれた時から負われ/胎を出た時から担われてきた。同じように、わたしはあなたたちの老いる日まで/白髪になるまで、背負って行こう。わたしはあなたたちを造った。わたしが担い、背負い、救い出す。」(イザヤ書46章3-4節)まず、神ご自身が抱え背負って下さる、と聖書は語っています。

イスラエルの人々はこの言葉をバビロニアという国で聞きます。イスラエルはこの時、戦争に負けて奴隷状態にありました。バビロニアという国に負けてしまったのです。武器を取り、また大きな国に助けを求めた結果、そのようになってしまったのです。多くの人たちは、奴隷としてバビロニアに連れて行かれ、そこで暮らしていました。連れて行かれた人々は全部で15,000人程だったと言われています。彼らは国の発展、経済成長、強い国、そういう事を願って努力し、一生懸命に生きて来たのです。けれども間違った道を進んでしまった。

そんな中で彼らは神からの「わたしが担い、背負い、救い出す」という言葉を聞くのです。そこから人々は新しい歩みを彼らは始めます。神様を光として、神様を希望として。 様々な悲しみや痛みや過ちを経験しながら、それでも神様を希望として歩む、その姿は後を進む者たちの希望でもあります。これからも私達の希望でいてください。主がその命の重さを受け止めてくださるように、私達も敬ってゆきたいと思います。 (牧師:田中伊策)

「私達の希望でいてください」 イザヤ書46章3-4節