「復活の証人」 使徒9:1-9

復活の証人
使徒言行録9章1-9節

新約聖の中には多くの「手紙」が収められています。個人から個人へ、個人から教会へ、励ましや慰め、激励や忠告、質問の答えなど内容は多様です。

その中のいくつかは「パウロ」という人物が差出人となっています。パウロがイエス・キリストを伝えるために外国を旅し、そしてそこで生まれた教会に宛てたのです。

しかし、このパウロは元々ユダヤ教の熱心な信者で、クリスチャンを捕らえてエルサレムに連れて行っていました。ところがパウロは復活のキリストと出会います。その出会いが使徒言行録の9章1―9節に書かれています。しかし、「サウロ(パウロ)が旅をしてダマスコに近付いた時、突然、天からの光が彼の周りを照らした。サウロは地に倒れ「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」と呼びかける声を聞いた。」(4―5節)。

この出会いによって彼は回心し、逆に熱心なクリスチャンとなります。しかし、その歩みは非常に困難なものだと推測出来ます。キリスト教の迫害者であったパウロが回心してクリスチャンとなったという事は、パウロという人間がユダヤ人からもクリスチャンからも迫害される立場になる事でもあったからです。

だからこそパウロは伝道の場を外国に求めたのかもしれません。しかし、そうまでしてもパウロはキリストを伝えようとしたのです。パウロのその原動力はどこにあったのでしょう。それはやはり復活の主と出会った事です。復活の主と出会わなければ、このパウロの大きな方向転換はあり得ません。迫害されても、罵られても、疑われても、キリストを伝えようとするその生き方そのものが復活のキリストを伝えています。

パウロは正に復活の証人です。 私達もそうです。クリスチャンとして生きるという事は復活の証人として生きるという事です。キリストの復活が伝わるような生き方をしたいと思います。 (牧師:田中伊策)