「一緒だと元気が出る」 詩編23:1-6

一緒だと元気が出る
詩編23編1-6節

「主はわたしを青草の原に休ませ/憩いの水のほとりに伴い魂を生き返らせてくださる。」 (2節・3節) 「青草」とは食べ物、「水」は飲み物です。しかし、この詩編の作者は食べ物が自分を生かし、飲みのものが自分を潤すのではなく、「主が私を休ませ」「主が私を生き返らせてくださる」と言います。それは私を導き、私に伴ってくれるから、です。

食べ物や飲み物は大事です。でも、それを誰と飲み、誰と食べるか、もかなり大事だと思います。むしろここでは主が私を生き返らせてくれる、と言っています。ここで言う「生き返る」とは勿論、死んだ心臓が再び動き出す、と云う意味ではありません。喉が渇いている時に水とか、ビールとかを飲んで「生き返る~!」とか言うじゃないですか。あれです。

生き返るとは「元気が出る」という事です。「元気が出る」その元気の源は、一人じゃないということです。問題を抱えて一人で悶々とする、悩み悲しみに一人打ちひしがれる、そんな時に、誰かがいると言う事がどれだけ慰めになるか。解決しなくても話を聞いてくれる人の存在がどれだけ有り難いか。闇に引っ張られそうになる、絶望に落ち込んでゆく自分を、誰かによって希望へと導かれる。そういうことです。

いつも思ったとおりの道に進むことは出来ません。そんな時に、「神も仏もあるものか」とか「神様はどうして私にこんな事をされるのか」と思う訳です。そんな時に私たちは忘れてしまっています。私たちが大切にしなければならないのは、この悲しみの中にも神様は共におられる、という事です。神様はこの課題の前に私一人を置き去りにされない、ということ。そこにこそ私たちの希望はあるのです。(牧師:田中伊策)