「あなたがたに平和があるように」 ヨハネ20:21-23

あなたがたに平和があるように
ヨハネによる福音書20章21-23節

「俺たちも捕まってイエス様のように殺されるんじゃねえか!?」イエス様の弟子達はそう考えて心配していました。イエス様は人々に捕えられ、不当な裁判にかけられて十字架にかけられて殺されてしまったのです。

「きっと次は俺たちの番だ」と怖がっている弟子達は、家の鍵を閉め、部屋の真ん中に集まってお祈りしました。でも、どのように祈りしてよいかも分からず、ただただ「神様、神様~!」と怯えていました。そんな時にイエス様の声が聞こえました、「あなたがたに平和があるように」。

目を開けるとみんなで集まっていた真ん中にイエス様がいます。「えっ?」と弟子達は驚きました。イエス様は十字架にかかって死なれたからです。すると、イエス様はみんなに十字架の傷を見せました。「あっ、本当にイエス様だ。あの十字架のイエス様が俺たちの所に来てくれた!」。

イエス様が捕まった時、弟子達はみんな逃げてしまいました。だから、弟子達は十字架にかかられたイエス様を見ていないのです。それなのに、イエス様の方から弟子達のところに来て、その傷を見せてくれたのです。

みんなの真ん中で「あなた方の弱さを背負って私は十字架にかかったのだ。あなた方の事は私が一番良く知っているよ。」とイエス様は語ってくれています。そう思った時、弟子達の心は静かになりそして喜びに包まれました。

イエス様はもう一度「あなたがたに平和があるように」と言われました。「進み出しなさい!」と言って「ふ~」っと息を吹きかけました。舟が風を受けて水の上を進むように、私の言葉を受けて進み出しなさい、と言われているようです。今度は弟子達の番です。

「困ったなぁ」と思っている人達、「悲しいなぁ」と泣いている人達、「怖いよぉ」と怯えている人達、「こんな事して、もう赦してもらえないよなぁ」と後悔している人達のところに言って「あなたがたに平和があるように」と言ってあげる番です。イエス様に赦されたように赦す人として歩み出すのです。(牧師:田中伊策)