「愛の目印」ヨハネ1:1-5

1:1 初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。
1:2 この言は、初めに神と共にあった。
1:3 万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。
1:4 言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。
1:5 光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。

「初めに言があった」、この「言」という字は「言の葉」ではなく「言」という一文字で記してあります。これは、単に「原語」とか「言葉」という意味ではありません。

新約聖書が書かれたギリシア語では「ロゴス」という単語が使われているのですが、このロゴスにはたくさんの意味があります。「言葉」「理性」「真理」「論理」「調和」、外にもいろいろ訳される言葉です。この言葉にはいろんな意味が溢れています。

つまり、この「初めに言があった」という言葉には、神様の溢れんばかりの思いが詰まっています。その溢れんばかりの思い、溢れんばかりの愛が神様の創造の業の原点です。そして、その神様の思いが言葉になり、神様の創造の業となっています。

万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった」。神様の「愛」、神様の「良し」、神様の「満足」の中にすべてのものはあるのだ、と語っています。そして、その愛を最も受けているのが私たち人です。

しかし、その愛の中にある私たちは、同時に闇を抱えています。その闇を照らすために神様はその愛の形として一つの命を与えられた。それがイエス・キリストです。「言の内に命があった。命は人間を照らす光であった」とはそういう意味です。

 (牧師:田中伊策)

「愛の目印」ヨハネによる福音書1章1-5節