聖書 ヨエル書1章1~15節
ヨエル書は、イスラエルを襲ったイナゴの大群が、畑も木々も実りもすべてを食い尽くし、人々の生活と礼拝を根底から揺さぶった出来事が語られています。ヨエルはこの壊滅的な災害を単なる自然現象ではなく、神様が人々の心を揺さぶり、悔い改めへと招く「主の日」の前触れとして受け止めて、「目を覚ませ、泣け」と呼びかけます。それは責める言葉ではなく、「痛みをごまかさず、神様の前に差し出しなさい」という愛の招きです。
私たちの人生も、病、喪失、孤独、将来への不安など、土台が崩れるような出来事があります。そのとき私たちは悲しみや苦しみから目を背けようとしますが、ヨエルはそれを直視し、そこから神様へ向き直ることを促します。「主よ、わたしはあなたを呼びます」(1:19)。この祈りこそ、回復の第一歩だからです。
さらに、「わたしはすべての人にわが霊を注ぐ」と語り、回復は人間の努力ではなく神様の霊によって始まると告げます。神様は「主の名を呼ぶ者は皆救われる」と約束し、イエス様は「わたしは復活であり、命である」と宣言されました。どんな荒廃の中にも、神様は新しい命を与えてくださいます。私たちも痛みを神様に委ねて、「主よ、わたしはあなたを呼びます」と祈り、救い主を待ち望んで歩んでいきましょう。(牧師 篠田 裕俊)