「お友達になってください」 ガラテヤ4:13-14

伝道者パウロは多くの国でイエス・キリストを伝え、その働きを通して多くの教会が誕生しています。また、パウロはその教会に対して多くの手紙を書いています。その手紙は聖書に記されているほどです。非常に熱く力強く圧倒されるような迫力で人を引き付けるように福音を語っていった、そういうイメージがあります。

しかしパウロの印象について次のようにいう人々もいました、「手紙は重々しく力強いが、実際に会ってみると弱々しい人で話もつまらない」(第二コリント10:10)。多分、そのイメージは正しかったのだろうと思います。何故ならパウロには何らかの持病があったと言われているからです。聖書には「そちらに行ったとき、私は衰弱していて、恐れに取りつかれ、ひどく不安でした」(第一コリント2:3)、「わたしの身に一つのとげが与えられ(中略)離れ去らせて下さるように、私は三度主に願いました」(第二コリント12:7)、「わたしは、体が弱くなった」(ガラテヤ4:13)とあります。私達は身体が痛む時、心も弱くなるものです。そしてパウロもそうだったようです。

特にガラテヤの地方に行った時には非常に悪い状態だったようです。しかし、パウロはこう言います、「知ってのとおり、この前わたしは、体が弱くなったことがきっかけで、あなたがたに福音を告げ知らせました」。体が弱くなったことで福音(イエス・キリスト)を分かち合う事が出来たとはどういうことでしょう。

この時ガラテヤの人々はこの弱々しいパウロを受け入れ、労わったと書かれています。つまり、パウロは助けるはずが助けられ、救うはずが救われた。そして、もしかしたらパウロの旅はその繰り返しだったのではないでしょうか。それは言い換えると友を探す旅。自分の弱さを相手に晒し、悲しみの涙を見せ、助けを求める事の出来る交わりを作ろうとしたのではないでしょうか。

クリスマスの出来事はイエス・キリストの誕生の物語です。命の誕生は助け手を求め泣く事から始まります。助け助けられる友との出会いから福音は始まってゆくのです。 (牧師:田中伊策)

「お友達になってください」 ガラテヤの信徒への手紙4章13-14節