「赤ちゃんイエスの力を受けて -新しい年の歩みのために-」ルカ2:8~12

今日1月6日は「公現日」、東方の博士たちが幼子イエスを拝した日=ユダヤ人以外の人々にイエスがお姿を現された(顕現)日として大切にされています。イエスさまのお誕生を伝えるマタイもルカも赤ちゃんイエスさまが生まれたとたんに何かを話したとか、生まれつき特別な力を持っていたということは伝えていません。

自分では食べることも飲むこともできない赤ちゃん。けれども、赤ちゃんには確かに力があります。大人たちは小さく弱い存在に対して、言葉を替え、笑顔を向けて、その必要を何とか聞き取ろうと耳を、頭を働かせ、想像をめぐらせてあれこれ働きかけます。「自己責任だ」と他者と距離を置く、自分の利にならない面倒をかける相手との関わりを切り捨てる考え方とは全く逆の、損得勘定をぬきに小さな命を守ろう!大切にしようという価値観・行動への逆転を起こす、教える力をもっています。そしてもうひとつ、私自身のいのちの始まり、歩みに思いを至らせ、周囲の人々の守り、支えの大きさ、力を再確認させてくれる力を持っています。

イエスさまはすでに出来上がった大人として来られたのでなく、赤ちゃんの姿で来て下さいました。病気をいやすことも、たとえ話の一つもできません。けれども赤ちゃんだからこそのメッセージを発しておられ、そのメッセージが2019年を歩みだそうとしている私たちに必要だと思わされています。

外国人労働者の受け入れ拡大、経済的な格差の放置、家庭での虐待や育児放棄の中に過ごしている子どもたち-社会が大きく変わろうとしているこの年の初めに、どのような関わり、交わりを創めましょうか?多くの人々の目と手、言葉を通して与えられた神さまの恵みの中で育てられ生かされてきた私であることを振り返りつつ、与えられてきた恵みを、小さくされている人々への思い、行いの中で分かち合いながら、歩む者へ。私たちの価値観・生き方を神さまを基として立て直す年に。そのように心から願います。(協力牧師:坂東資朗)

「赤ちゃんイエスの力を受けて -新しい年の歩みのために-」ルカによる福音書2章8~12節